を解説していきます。
この記事を読めば言語聴覚士の人数が少ない理由が分かり、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士の資格を取る時の参考にできます。
実際、私は言語聴覚士として病院や施設などで働いてきました。
確かにそこで働いていた言語聴覚士は理学療法士や作業療法士と比べて人数が少ないです。
一般的に職場で働いている言語聴覚士の人数は理学療法士・作業療法士の数分の1程度。
例えば、理学療法士が20人だったら言語聴覚士は3人くらい。
ただ言語聴覚士の人数が少ない理由は、歴史が浅かったり、認知度が低くかったりするからではないです。
あなたには本当のことを知ってもらいたいと思って書きました。ぜひ読んでください。
さっそく始めます!
※前提として、言語聴覚士が少ないという意味は 理学療法士・作業療法士と比べて人数が少ないという意味で検索されていると想定して解説していきます。
言語聴覚士(ST)が少ない理由とは?
言語聴覚士の人数が少ない理由は理学療法士や作業療法士と比べて需要が少ないからです。
では、なぜ理学療法士や作業療法士と比べて言語聴覚士の需要が少ないのかというと、1番大きな理由は医師が各職種へ出す指示の数と各職種が行う練習の優先度に関係です。
今回は多くの言語聴覚士が働いている病院での状況を例にあげます。
病院で言語聴覚士・理学療法士・作業療法士が評価や練習を行うには医師の指示が必要です。
一方で医師が言語聴覚士・理学療法士・作業療法士に対して出せる評価や練習の指示は病気やケガの種類によって決まっています。
一般的に手足等の運動面に対する評価や練習の指示の方が言葉や飲み込みに対する指示よりも多いです。
また各職種に出せる指示の種類の数に差があり、言語聴覚士に指示が出せる種類は理学療法士・作業療法士よりも少ないです。
例えば、言葉に影響が出る脳の病気やケガは手足にも影響が出るコトがあり、 言語聴覚士・理学療法士・作業療法士に指示が出せます。
一方で、手足等のケガでは、理学療法士・作業療法士に練習の指示を出せても、言語聴覚士に対しては指示が出せない等です。
また練習の優先度も関係があります。制度上、提供できる評価や練習の時間は上限があります。なので、優先度に応じて各職種の時間を調整することが多いです。
例えば、家に帰るのが目標であれば、
- 歩ける
- トイレに行ける
- 着替えられる
- お風呂に入られる
- 階段の上り下りができる
運動に関する能力が必要になる場面が多くなりやすい。
なので、結果として理学療法士・作業療法士の需要が高くなり、言語聴覚士の需要が少なくなります。
反対に担当する方の運動面に問題が少なく、話しにくさや食べるコトに難しさがあれば言語聴覚士の時間が多くなるケースもあります。
ただ、全体的に見ると言語聴覚士の時間が 理学療法士・作業療法士よりも多くなるケースは少ないです。
言語聴覚士が少ない理由は以下の通り
- 医師が言語聴覚士・ 理学療法士・作業療法士へ出す練習の指示は病気やケガの種類によって異なる。
- 言語聴覚士に対して出せる指示は理学療法士・作業療法士に出せる。しかし、理学療法士・作業療法士には出せても言語聴覚士には出せない指示がある。
- 全体的に見て理学療法士・作業療法士が担当する運動面の練習に関する指示の数が多い。
- 各職種に割り当てられる時間は医師や担当者等の話し合いによって調整される。
- 一般的に言葉よりも歩く等の運動面の練習に時間を多く割り当てられる。
- 運動面に割り当てられる練習の時間が多くなる理由は、自分でできることが増えれば今後の選択肢が増えるから。例えば、運動面に問題がない、もしくは問題があってもある程度自分で行えるのであれば自宅に帰えられる可能性が高くなったり、一緒に生活する人の手助けが少なくなったりするから。
- 一方で担当する方の状態に合わせて練習時間を調整するので言葉や飲み込みの練習が重要であれば、言語聴覚士の練習時間が多くなることもある。
- ただ、全体的に見て言語聴覚士が担当する時間の方が理学療法士・作業療法士よりも少ない。
このような理由で理学療法士・作業療法士と比べて言語聴覚士の需要は少なくなります。
データで解説!言語聴覚士(ST)の人数が少ないコトでの誤解とは?
一方で言語聴覚士の人数が少ない理由で誤解されている部分があるので、データを用いて解説していきます。
言語聴覚士(ST)の人数が少ないのは新しい資格だからというのは誤解
言語聴覚士の人数が少ないのは 理学療法士・理学療法士の資格よりも歴史が浅く、新しい資格だから人数が少ないと思われています。しかし、これは誤解です。
理由は毎年の資格取得者の人数は 理学療法士・作業療法士の方が言語聴覚士よりも多い傾向にあり、今後もST・ PT・OTの資格保有者の差が逆転するとは考えにくいから。
各職種の資格を定めるために法律が成立したのは
- 言語聴覚士法:1997年
- 理学療法士及び作業療法士法:1965年
確かに資格ができてから1番日が浅いのは言語聴覚士です。
一方で、2023年の言語聴覚士・理学療法士・作業療法士の国家試験の合格者数です
言語聴覚士:1696名
理学療法士:11312名
作業療法士:4793名
出典:厚生労働省
「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」
「第25回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
他の年も 理学療法士・作業療法士の方が言語聴覚士の合格者よりも多いです。
また、前述した通り理学療法士・作業療法士の方が需要が多いです。
なので、理学療法士・作業療法士の人数と比べて言語聴覚士の人数が少ないのは今後も継続する可能性が高く、資格が出来てからの年数は関係ないと考えられます。
加えて、国家試験の合格率からも言語聴覚士の少ない理由が資格ができてからの年数とは関係ないことが考察できます。
毎年の合格率の傾向については、理学療法士・作業療法士ともに約80%。一方、言語聴覚士の合格率は60〜70%程度です。
言語聴覚士の需要があれば言語聴覚士の合格率を理学療法士や作業療法士と同等程度に調整すと考えられます。
ただ今までの言語聴覚士の合格率をみると、60〜70%程度になるように調整していると想定されます。
言語聴覚士(ST)は人数が少ないのは求人がないからという誤解
言語聴覚士の人数が少ないのは求人がないからというのは誤解があります。
各職種の令和3年の有効求人倍率を見ると、
ST:3.17
PT:4.13
OT:4.03
求人に関して、確かに 理学療法士・作業療法士の方が多いです。ただ言語聴覚士の求人もあります。
理学療法士・作業療法士の場合、言語聴覚士より需要があります。
一方で、毎年理学療法士、作業療法士の資格を取得する人数も言語聴覚士より多く、供給が多い。
つまり、言語聴覚士と比べて理学療法士・作業療法士を募集している人数の方が多い一方で、理学療法士・作業療法士として働こうとしている人も多いというコトです。
言語聴覚士(ST)の人数が少ないコトで知っておくべきコトとは?
一方で言語聴覚士の人数が少ないコトで知っておいた方が良いことがあります。それは言語聴覚士の場合、1人職場が少なからずあるということ。
一般的に言語聴覚士のいる病院は、数名から多くて20名程度のコトが多い。ただ1人職場も少なからずあります。言語聴覚士1年目から1人職場という可能性があります。
なので、もし自分の希望する職場の選択肢を増やしたいのであれば、1人職場でも働けるように学生時代からしっかり勉強をしておくコトをオススメします。
【まとめ】「言語聴覚士(ST)は少ない」という理由で諦めるのはモッタイナイ
結論、言語聴覚士の人数が少ない理由は理学療法士・作業療法士と比べて需要が少ないからです。
ただ、言語聴覚士の人数が少ないのはあくまでも理学療法士・作業療法士と比べるからであって需要はあります。
人が生活する上で重要な話したり、食べたりする能力に関わる言語聴覚士の仕事はやりがいがあります。
理学療法士・作業療法士と比べて人数が少ないと理由だけで判断するのはモッタイナイです。
いずれの職種においても、まず養成校に入学する必要があり、筆記・面接試験があります。
私の場合、「コミュ力0」と「頭が悪い」のハイブリッドで試験に落ちまくりました。
ただ、あなたには最短で言語聴覚士になって欲しい。その思いで以下の記事を書きました。
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【神器】言語聴覚士(ST)の国家試験に合格するために重要な2冊の本とは?
ぜひ読んでみてください。
ありがとうございました。
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