【新NISA】米国株高配当ETFを買わない3つの理由

数ある投資方法でも人気があるのが高配当株に投資して定期的に配当をもらうこと。

中でも特に人気なのは『米国株高配当ETF』です。

あなたもSNSやネットの情報で「米国株高配当ETFに投資すれば不労所得で生活ができるかも、、」と関心をもったのではないでしょうか。

実際に私も不労所得にあこがれて米国株高配当ETFに数年間投資してきました。投資金額が少なく、もらえる配当も少なかったものの、給料とは別に3ヶ月ごとに収入があるのはうれしかったです。

しかし、米国株高配当ETFの特徴を知ってからは買わなくなりました。

そこで今回は、私が『新NISAで米国株高配当ETF買わない理由』をくわしく紹介していきます。

この記事を読むことで、米国株高配当ETFのメリットとデメリット分かり、米国株高配当ETFに投資したほうがいいかわかります。

分かりやすく書いたので、ぜひ読んでください。

※ちなみにETFを持っていることでもらえるお金は「分配金」と言われます。ただ、この記事ではわかりやすいように「分配金」=「配当金」として書いています。

この記事を書いた人

ぶん

プロフィール

年収400万のST

米国株に3000万投資

・メインは米国株ETF

目次

そもそも高配当ETFとは

高配当ETFとは、高い配当利回りのETFのこと。どれくらいからが「高い」のかハッキリとした基準はないものの、一般的に3〜4%以上の配当利回りがあると高い配当利回り(=高配当)と言われることが多いです。

またETFとは上場投資信託のことで、以下のような特徴があります。

ETFの特徴
  • 1つのETFで数十〜数百以上の株に投資できる
  • 個別株と同じように売買できる

高配当ETFは高い配当利回りでありながら、1つのETFで複数の株に分散投資ができ、個別株と同じように売買できるので人気があります。

新NISAで米国株高配当ETFを買わない3つの理由【経験談】

高配当ETFの中でも米国株高配当ETFは人気があります。私も米国株投資を始めたときは買っていました。

しかし、以下のことを知ってからは買わなくなりました。

米国株高配当ETFを買わない理由
  • 米国株の利益は値上がりがメイン
  • 高配当ETFは複利効果が低くなりやすい
  • S&P500のETFでも長期間保有することで高配当になる

ぶん

くわしく説明していきますね

 米国株の利益は値上がりがメイン

株の利益は値上がり(=キャピタルゲイン)と配当による利益(=インカムゲイン)の2つ。

以下のグラフはS&P500の値上がりと配当による利益の割合を表しています。(青:値上がり 緑:配当)

S&P500のキャピタルゲインとインカムゲインの比率
出典:topforeignstocks.com

歴史上、米国株の利益は値上がりが中心。なので、利益をふやすためには値上がりしやすい株に投資したほうが効率がいい。

しかし、米国株高配当ETFはS&P500よりも値上がりしやすい株が少ないため、全体的な利益はS&P500よりも少なくなってしまう傾向にあります。

 高配当ETFは複利効果が低くなりやすい

資産を大きくするためには複利効果を高めることが重要です。しかし、高配当ETFは複利効果が低くなりやすいです。

複利効果が低くなりやすい理由
  • 新NISAであっても米国株の配当金には米国で税金がかかる
  • 配当で再投資する際に非課税枠をつかってしまう
  • 再投資するまでに1株分の価格までお金を貯める必要がある

新NISAであっても米国株の配当には税金がかかる

米国株の配当金には新NISAで買ったとしても米国で10%の税金がかかります。

投資額が多くなれば、配当金への税金も多くなります。税金が増えると、再投資できるお金が減ってしまうため複利効果が低くなってしまいます。

配当で再投資する際に非課税枠をつかってしまう

新NISAの非課税枠は値上がりした分には枠をつかわないものの、新たに購入した場合には枠をつかってしまいます。

なので、高配当ETFの配当金で再投資してしまうと、買い増すたびに非課税枠をつかってしまいます。

簡単に例をあげます。

新NISAの成長投資枠(年間投資枠240万)をつかって投資信託と高配当ETFにそれぞれ100万投資し3%の利益が出ている場合として説明します。

再投資した場合に生じる成長投資枠の違い

投資信託(再投資の設定):

100万×1.03(3%の値上がり)

→評価額103万 残り成長投資枠140万

高配当ETF:

100万+配当3万(3%の利益を再投資) 

→評価額103万 残りの成長投資枠137万

高配当ETFの配当を再投資に回していると、どんどん非課税枠をつかってしまうため、長期間の投資になると非課税枠をつかいきってしまう可能性が高くなります。

非課税枠をつかいきってからの投資は税金がかかる口座(特定口座など)での投資になるため複利効果が低くなりやすいです。 

■関連記事

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再投資するまでに1株分の価格までお金を貯める必要がある

投資信託であれば100円から投資できる一方、ETFは1株ごと買う必要があります。

1株買うのに最低数千円以上が必要になるので、買えるまでに時間がかかることがあります。再投資するまでに時間がかかれば投資している期間がみじかくなるので、複利効果が小さくなる可能性があります。

S&P500のETFでも長期間保有することで高配当になる

 過去の利益からみるとS&P500であっても長い間保有すれば高配当になる可能性があります。今までにS&P500は株価だけでなく配当の金額も増える傾向にあるからです。

以下のグラフはS&P500の配当の推移。基本的に右肩上がりです。

S&P500の配当の推移
出典:Seeking Alpha

例えば、S&P500に連動するETFの「VOO」を持っていると配当がもらえます。VOOの配当利回りは1.3%(2024年3月時点)。歴史的に見ても1~2%程度の配当です。

仮にVOOを100万円で買ったとして配当利回りが1%だったとすると1万円の配当。その後、VOOの株価が上がり2倍の200万円になったとして利回りが1%だったとすると2万円になります。

同じ1%の利回りであったとしても、100万円で買ったVOOから2万円配当がもらえることを考えれば2%の利回りになっているということです。

新NISAで米国株高配当ETFを買うメリット

もちろん米国株高配当ETFにもメリットがあります。

米国株高配当ETFのメリット
  • 日本での税金がかからない
  • 長期で保有しやすい
  • 再投資のタイミングがとりやすい

日本の税金はかからない

新NISAの最大のメリットは日本での税金がかからないこと。新NISAの非課税枠で運用すれば、日本での税金20.315%がかかりません。

高配当ETFは高い配当の分、配当にかかる税金も高くなります。新NISAの非課税枠であれば日本でかかる税金がゼロになります。

長期で保有しやすい

配当のない株だとちょっとした値動きで売ったり買ったりしてしまいがち。新NISAの枠で何度も売ったり買ったりしていると、利益が出なかったり、すぐに非課税枠をつかい切ってしまう可能性があります。

米国株高配当ETFは高い利回りで定期的に配当がもらえるので、投資のメリットを感じられ長期で保有しやすくなります。

再投資のタイミングがとりやすい

定期的に配当をもらえると手持ちのお金ができるので、投資のタイミングがとりやすくなります。

例えば、配当を貯めておきつつ、1週間で〇%下がったら追加で投資するとか、今は値上がりしているから投資しないなどの自分の判断で投資することがしやすくなります。

新NISAで米国株高配当ETFを買うには成長投資枠が必要

新NISAには成長投資枠とつみたて投資枠があります。

金融庁のつみたて投資枠と成長投資枠の表
出典:金融庁

基本的に米国株高配当ETFを買うためには成長投資枠をつかうことになります。

米国株高配当ETFを買うときの注意点

米国株高配当ETFを買うときの注意点があるので説明します。ほかの米国株を買うときも同じなので覚えておくと役立ちます。

米国株高配当ETFを買うときの注意点
  • ドルをあつかう必要がある
  • 値動きが大きくなるときがある
  • 非課税枠を使いきれない可能性がある

ぶん

1つずつ説明していきますね。

ドルをあつかう必要がある

米国株に投資する場合、ドルをあつかいます。知っておいたほうがいいことがあるので説明します。

知っておいたほうがいいこと
  • 円とドルを交換するときにお金がかかる(=為替スプレッド)
  • 配当はドルでうけとる

 

米国株高配当ETFを買うときはドルをつかうため、円をドルに換える必要があります。

また米国株の配当を日本国内でつかう場合、ドルを円にかえる必要があります。円からドル、ドルから円にかえる際に手数料がかかってしまうので注意する必要があります。

値動きが大きくなるときがある

株価と為替の影響を受けるため値動きが大きくなるときがあります。

たとえば、株の価格が上がり、更にドルも高くなれば利益がプラスになりやすいです。一方、株が安くなり、ドルも安くなると利益が小さくなり、場合によってはマイナスになったりするなど値動きが上下しやすい場合があります。

なのであらかじめ値動きの幅が大きくなる可能性があることを知っておいたほうがいいです。

非課税枠を使いきれない可能性がある

ETFを買うときは1株ごとに買う必要があるため、ETFのみでは非課税枠をぴったりつかい切れない可能性があります。

ただ投資信託との併用は可能なので非課税枠が1株分に満たない場合は投資信託で非課税枠をつかい切ることは可能です。

新NISAで買える米国株高配当ETF3選

ここで人気のある米国株高配当ETFを3つ紹介します。

人気のある米国株高配当ETF3選
  • VYM
  • SPYD
  • HDV

以下のグラフは各ETF(1万ドル)を2016年から2024年(3月時点)に投資したときの価格の推移です。

緑:VOO 青:VYM 赤:HDV 黄色:SPYD

VOO、YYM、HDV、SPYDの価格推移

いずれも米国株ETFであり人気のある商品です。ただ紹介しているとおり、米国株高配当ETFはVOO(S&P500)とくらべて全体的な利益が低くなる傾向にあります。

まとめ:新NISAで米国株高配当ETFを買わないのは他にも良い商品があるから 

今回は私が新NISAで米国株高配当ETFを買わない理由を紹介しました。

新NISAで米国株高配当ETFを買わない理由
  • 米国株の利益は値上がりがメイン
  • 高配当ETFは複利効果が低くなりやすい
  • S&P500のETFでも長期間保有することで高配当になる

 

米国株高配当ETFは高い利回りで分散投資もできる良い商品です。ただS&P500など米国株ETFには他にもよい商品があるので買っていません。

今回の記事が参考になればうれしいです。ありがとうございました。

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